この春、豊島岡女子学園中学校に合格されたRISU会員の保護者様からコメントをお寄せいただきました。
保護者として中学受験を経験した視点から、最新の中学受験事情とRISUを4年間利用した感想をお送りいただきましたので、ご紹介させていただきます。
今年2022年の中学受験を終了したばかりの、Sと申します。
令和時代の中学受験のプロセスを、保護者の視点で一通り経験して思うことは、親世代が経験した中学受験(今から約30年前の昭和後期から平成初期)とは、戦い方が激変しているということでした。
大きく3つの変化があると考えます。
1. 中学受験対策の低学年化が進んでいる
30年前は、小6から学習を開始してもなんとなかなる時代であり、多くの方が小5から学習を開始する世界でした。小4から開始するのは、御三家を本気で目指す層でした。しかし、現在では、低学年(小1-3)から開始するのは当然のことであり、大手塾によっては新小1の最初の入塾テストで満杯になる状態になっています。この現象について、既存の塾産業や家庭教師産業の方は「そんなに焦らなくて大丈夫ですよ」と言うのですが、現実は違います。娘は小1から大手塾でコツコツと学習を進めてクラスアップをしていったので分かるのですが、現在の中学受験は、実質的に小学校低学年の時間の過ごし方で決着がつく世界になりつつあります。すなわち、新小4の1月(=小3の1月)での大手塾のクラスの立ち位置から、その後に成績を上げていくことが、30年前とは比較にならないほど難しくなっています。これには理由があり、先頭集団ほど塾の進度が早く、下位クラスの進度は相対的に遅いため、普通に努力をしていても追いつくことができない構造になっているためです。
2. 算数の重要性が上がっている
中学受験は4科目の戦いになります。国語、算数、社会、理科。この4科目のうち、中学受験本番でもっとも成績のブレが大きいのが、算数になります。中高一貫校で受験者平均と合格者平均点を調べて頂ければ分かりますが、国語・社会・理科の点数差は小さく、算数の点数差が大きい、というのが一般的な構造です。30年前も同様の傾向があったはずですが、国語・社会・理科で学習すべき範囲も広がっており、求められる知識の絶対量が増加しています。これらをカバーした上で、最後に算数の出来不出来が合否を左右することになります。この理由ですが、最近の中学受験算数は、通称「思考力系」と言われる、初見での論理解析展開能力を要求する問題が増えているためです。
3. 1つの塾に任せていればよかった時代は終了
30年前は大手塾に任せていれば良く、家庭学習についても塾の宿題をやっていれば良かった時代でした。しかし、現在は全く違います。その理由ですが、大手塾の算数カリキュラムは新小4からのスタートを前提とするため、小1-3の低学年時には本格的に開始することができず、それゆえに中学受験算数とは異なる系統の算数になっています。中学受験対策を本気で考えるご家庭は、市販の算数教材を購入して自宅学習で進めたり、また算数専門塾にダブルスクールをさせたりする例が増加しており、もはやこれが一般的な対応になっています。
上記の変化があったことから、結果として、30年前よりも親のサポート体制が必要になっています。低学年時における親のサポート力が、新小4の1月時点での学力を決め、それが中学受験本番まで継続するような構造になっています。親にとっては大変な時代だと思います。特に、2020年2月以前のBeforeコロナの時代においては、共働き世帯は苦労の連続でした。リモートワークが普及しておらず、そもそも、低学年の我が子が下校して自宅にいても、勉強で伴走してあげることができません。その中でどうにかしないといけない。共働きであることだけで、学力格差の温床になるような時代でした。Afterコロナの時代になってからは、リモートワークが普及したこともあり、現時点では共働き世帯と専業主婦世帯の格差は縮小していますが、それでも業務時間中に我が子を見ることは難しいですから、一定の問題があります。
我が家がRISU算数に出会ったのは、娘が小3であった2019年です。Beforeコロナ時代での共働き世帯ということもあり、なかなか娘の算数をみることができない事情がありました。大手塾の低学年算数(思考力系)ではそこそこの成績を出していましたが、基礎的な算数の学習がすっぽりと抜けていました。そこで、小3の夏休みの時間を使ってRISU算数にて基礎的な算数を体系的にやり直し、その後もRISU算数を継続したところ、大手塾で本格化する小4以後の中学受験算数に対応できるだけの基礎を獲得することができました。
中学受験の合格体験記という視点で、RISU算数の良いところと課題を挙げると、以下の通りになると考えます。
1. 良いところ
①低学年の子供が、自宅で一人で進められるように設計されていること。日中もなにかと忙しい共働き世帯の救世主だと思います。
②親による採点が不要であること。タブレットでの自動採点であることから、親の仕事が中断されることがありません。
③基礎ほど教えるのが難しいことはないこと。何ごともそうだと思うのですが、基礎ほど教えるのが難しいことはないと思います。基礎は、その後の応用への展開も見据えた上で、理論的に体系化されたカリキュラムでコツコツを進めるべきだからです。RISU算数は10億件以上もの基礎算数の間違いデータに基づいてカリキュラムが設計され、日々進化しているプロダクトです。つまり、塾、個別指導、家庭教師の先生方はより少ない経験や、また感覚に頼って指導することになりますが、RISU算数は違います。
課題
①親の関与が少なくなるので、モニタリングが難しくなります。親目線では圧倒的に楽なのですが、楽であるがゆえに、我が子の進捗状況を細かくチェックする必要がなくなります。メール連絡で状況は分かるのですが、親子間での会話を促進するためにも、定期的にお子さんが何をしているのか、確認する段取りをつけると良いと思います。
※編集部注:お客様マイページでも学習の進捗状況をご確認いただけます。ご活用ください。
②計算問題用のような絶対的な練習量を確保するものではないこと。タブレット教材であることから、紙でやった方が早い計算問題については、あまり力を入れていません。計算の絶対量は、ドリルなどの教材で訓練しておくと、RISU算数の進捗スピードも加速すると考えます。
以上が、低学年時にRISU算数を使い倒し、2022年中学受験を経験した一保護者としての意見となります。RISU算数を使い、算数が得意に、そして算数が好きになるお子さんが増えることを、心よりお祈りします。
中学受験をはじめ、算数の苦手克服から成績アップまで幅広くお役立ていただけるよう、RISU Japanはこれからもお子様一人一人に寄り添った学びをお届けしていきます。